奈良といえば、大仏や鹿を思い浮かべる人が多いですよね。
でも実は、奈良にはまだまだ知られていない「穴場のお寺」がたくさん存在します。
観光客で賑わう有名スポットとは違い、静かに過ごせる場所が多く、まるで時間が止まったかのような特別な空気を感じられるのが魅力。
この記事では、意外と知られていないおすすめの穴場寺院や、絶景に出会える秘境寺院、初心者向けの巡り方まで、たっぷりご紹介します。
混雑を避けて、心からリフレッシュできる奈良旅を楽しみたいあなたにぴったりの内容になっています。
ぜひゆっくり訪ねてみてくださいね。
奈良の観光事情
奈良の東大寺や春日大社、興福寺といった有名な観光地は修学旅行生や海外からの観光客など、常に多くの人が訪れています。
しかし、奈良は歴史的に見ても日本の仏教文化の中心だった時期が長く、そのため県内各地には他にも無数のお寺が点在しています。
特に奈良市街から少し外れたエリアには、歴史は深いのに観光地化されていない静かな寺院がたくさんあります。
少し足を伸ばすだけで驚くほど静かで落ち着いたお寺を楽しめるのが奈良の大きな魅力なのです。
静かに過ごせるお寺の特徴
静かなお寺にはいくつか共通点があります。
まず、アクセスが少し不便な場所にあること。
そして、大きな駐車場や観光バス用の施設がないことが多いです。
また、宣伝やPR活動をあまりしていないため、知る人ぞ知る存在となっています。
そのため、訪れる人はお寺好きや歴史好きが中心。
お互いにマナーを守りながら、落ち着いた時間を共有できるのも大きなポイントです。
穴場を選ぶ際のポイント
穴場のお寺を選ぶ際には、アクセス方法や施設情報を事前に調べておくのがコツです。
なかには本当に交通の便が悪い場所もあるので、事前にバスや電車の時間を確認しておきましょう。
また、季節ごとの見どころも重要です。
例えば春は桜、秋は紅葉が美しいお寺が多いので、自然と一緒に楽しみたい人は季節に合わせて訪れるとより満足度が高まります。
自分の旅のスタイルに合った穴場を見つけるのが、奈良旅行を何倍も楽しくする秘訣です。
奈良の穴場の寺院8選
奈良の隠れた名刹や穴場の寺院をご紹介します。
どこも比較的空いているので、ゆっくり拝観できますよ。
おすすめ穴場のお寺
- 円成寺(えんじょうじ):奈良市
- 當麻寺(たいまでら):葛城市
- 室生寺(むろうじ):宇陀市
- 長谷寺(はせでら):桜井市
- 法起寺(ほうきじ・ほっきじ):生駒郡
- 長岳寺(ちょうがくじ):(天理市)
- 金峯山寺(きんぷせんじ):吉野郡
- 信貴山朝護孫子寺(しぎさん ちょうごそんしじ):生駒郡
では、ひとつずつご説明していきましょう。
円成寺(奈良市)
円成寺(えんじょうじ)は奈良市街から車で30分ほどの山間にあり、庭園の美しさと国宝の仏像が見どころです。
夏の桔梗、秋の紅葉もおすすめ!
観光客が少ないので、心ゆくまでゆっくりと参拝できます。
- 住所:奈良市忍辱山町1273
- 拝観料:大人500円・中高生400円・小学生100円
- アクセス:JR・近鉄奈良駅から柳生、邑地中村、石打行きバス「忍辱山(にんにくせん)」下車すぐ
- 駐車場:20台あり
地図
當麻寺(葛城市)

當麻寺(たいまでら)は中将姫伝説で有名ながらも、意外と混雑しない穴場です。
中将姫がひと晩で織ったという曼陀羅は国宝に指定されています。
奥深い歴史を感じながら、ゆったりとした時間を過ごせます。
- 住所: 奈良県葛城市當麻1263
- 拝観料:大人500円・子供250円
- アクセス
(公共交通機関)近鉄南大阪線 当麻寺駅下車 徒歩700m
(車の場合)西名阪の柏原ICを下りて約15
または南阪奈道の葛城ICを下りて約5分 - 駐車場:奥院駐車場38台
地図
室生寺(宇陀市)
室生寺(むろうじ)は多くの国宝の仏像があり、高さ16mの五重塔は日本最小。
春のシャクナゲ、秋の紅葉が有名ですが、バスの本数が少ないことなどアクセスの大変さから混雑しづらい穴場です。
五重塔と自然のコラボレーションはまさに絶景です。
- 住所:奈良県宇陀市室生78
- 拝観料:大人600円・子供400円
- アクセス:
(公共交通機関)近鉄室生口大野駅から室生寺前行きバスに乗って終点で下車、徒歩5分 - 駐車場:近くの有料駐車場を利用
地図
長谷寺(桜井市)

長谷寺(はせでら)は平安貴族や徳川家などが崇拝した歴史ある寺院です。
「花の御寺」と呼ばれるほど四季折々の花が咲いています。
特に牡丹や紅葉が見事でシーズン中は混み合いますが、少し時期をずらして訪れると静かに鑑賞できます。
- 住所: 奈良県桜井市初瀬731-1
- 拝観料:大人500円・中高生500円・小学生250円
- アクセス:近鉄大阪線長谷寺駅を下車、徒歩15分
- 駐車場:あり
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法起寺(生駒郡)
法起寺(ほうきじ)は聖徳太子が建てた「七大寺」のひとつと言われていて、「ほっきじ」と呼ぶ人もいます。
法隆寺までは約3Kmなので、一緒に参拝するのもおすすめです。
法起寺も世界遺産ですが、訪れる人は少なめの穴場です。
- 住所:奈良県生駒郡斑鳩町岡本1873
- 拝観料:大人500円・高校生500円・中学生400円・小学生300円
- アクセス:JR法隆寺駅で下車 2.5Km
- 駐車場:あり
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長岳寺(天理市)

長岳寺(ちょうがくじ)は、ハイキング気分で訪れることができる穴場のお寺です。
平城京から続く「山の辺の道」の途中に位置し、ハイキングコースの一休みスポットとして親しまれています。
境内には四季折々の花が咲き、春には桜、夏には紫陽花、秋には紅葉が楽しめます。
軽い運動と静かな参拝を同時に楽しめるため、健康志向の人にも人気です。
歩く道中も昔ながらの田園風景が広がり、奈良らしい素朴な景色に癒やされます。
- 住所:奈良県天理市柳本町508
- 拝観料:大人400円・大学生高校生350円・中学生300円・小学生250円
- アクセス
(公共交通機関)
近鉄天理駅または近鉄桜井駅からバスで上長岡 長岳寺で下車 徒歩約5分
JR桜井線柳本駅で下車、徒歩約20分(タクシーで5分)
(車の場合)西名阪自動車道天理ICから約6Km - 駐車場:あり
地図
金峯山寺(吉野郡)

金峯山寺(きんぽうせんじ)は役小角(えんのおづね)が開祖と言われる修験道の総本山です。
国宝の本堂や仁王門をはじめ、迫力ある金剛蔵王大権現像など見どころがたくさんあります。
なお、金剛蔵王大権現は秘仏であり、普段は非公開。
春と秋の特別ご開帳時のみ拝観できます。(拝観料:大人1600円)
- 住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山2498
- 拝観料:大人800円・中高生600円・小学生400円
- アクセス
(公共交通機関)近鉄吉野駅からロープウェイに乗り、ロープウェイ山上駅から徒歩10分
(車の場合)葛城ICから大和高田バイパスの終点まで行き、吉野川沿いに走る - 駐車場:寺院にはない
下千本駐車場(吉野山観光駐車場)(約400台)を利用、そこから約1km(徒歩で16分ほど)
(桜と秋の観光シーズンは有料、それ以外は無料)
地図
信貴山朝護孫子寺(生駒郡)

信貴山朝護孫子寺(しぎさん ちょうごそんしじ)は、醍醐天皇の病気快癒や聖徳太子が物部守屋討伐を祈願したことをきっかけに建立されたと言われています。
聖徳太子が物部氏討伐の際にこの山で祈願をしたところ、空に毘沙門天が現れて勝利に導かれました。
毘沙門天が現れた日が寅の年、寅の費、寅の時刻だったことから境内にはたくさんの寅があり、信仰を集めています。
ゆっくり散策して、寅を探してみてくださいね。
- 住所:奈良県生駒郡平群町信貴山2280-1
- 拝観料:拝観料はありませんが、霊宝館に入るのに大人(高校生以上)300円、小中学生200円がかかります。
- アクセス
(公共交通機関)王寺駅からバスで信貴大橋で下車 徒歩5分
(車の場合)
阪奈道路の「信貴山門料金所」からすぐ
第二阪奈有料道路の「壱分」ランプから約30分
西名阪自動車道の「香芝」または「法隆寺」I.Cから約30分 - 駐車場:あり
地図
初心者でも安心!穴場お寺巡りのコツと注意点
穴場寺院を回る時のコツや注意点をご紹介します。
公共交通機関を利用する時の注意点
車がなくても楽しめるのが奈良の魅力の一つ。
近鉄電車や奈良交通バスを使えば、意外と多くの穴場寺院にアクセス可能です。
たとえば、次の寺院は公共交通機関でも行けます。
- 當麻寺:近鉄南大阪線「当麻寺駅」から徒歩15分
- 室生寺:「室生寺前」バス停から徒歩5分
- 長谷寺:「長谷寺駅」から徒歩15分
- 信貴山朝護孫子寺:王寺駅からバス「信貴大橋」で下車して徒歩5分
どこも駅やバス停から少し歩くことになりますが、散策を兼ねて出かけてみるといいでしょう。
なお、バスの本数が少ない場所もあるので、行き帰りの時間をあらかじめ調べておくのがコツです。
時刻表アプリを活用すると、移動中もスムーズですよ。
車を使わない場合、少し歩くことを前提にプランを組むとストレスなく巡れます。
観光スポットのついでに立ち寄るのがコツ
奈良観光のメインスポットに行く途中や帰りに、ちょっと立ち寄れる穴場寺院もあります。
たとえば、東大寺観光後に徒歩10分ほどで行ける「戒壇院」は、意外と訪れる人が少なく、厳かな雰囲気を楽しめます。
また、興福寺から歩いて行ける「元興寺」も、世界遺産なのに混雑していないのでおすすめ。
主要観光ルートに組み込めば、無理なく穴場も楽しめます。
持ち物と服装をチェック
奈良の穴場寺院巡りには、少しだけ持ち物に気を配るとより快適に過ごせます。
まず必須なのは「歩きやすい靴」。
境内は砂利道や坂道も多いので、スニーカーがベストです。
そして、季節によっては「虫除けスプレー」や「羽織れる上着」も役立ちます。
また、穴場寺院は売店や自販機がないこともあるので、飲み物を用意しておくと安心です。
スマホにオフラインマップを入れておくと、道に迷ったときも安心。
準備を整えて、ストレスフリーな穴場巡りを楽しみましょう!
奈良の穴場お寺巡りQ&A
奈良の穴場のお寺巡りをする時に気になることをQ&Aでまとめました。
穴場でも混雑する時期はある?
「穴場」とはいえ、奈良の寺院にも少し混雑する時期はあります。
特に次の季節は混雑します。
- 桜の季節(3月下旬~4月上旬)
- ゴールデンウィーク
- 紅葉シーズン(11月中旬から12月上旬)
とはいえ、東大寺や春日大社に比べれば混雑はごくわずか。
平日の朝早くや夕方に訪れれば、穴場らしい静けさを楽しむことができます。
また、雨の日や寒い季節(12月~2月)は観光客がさらに少なくなり、本当の意味での“貸し切り感”を味わえる穴場寺院も多いです。
穴場寺院のマナーとは?
静かな寺院を訪れるときは、特にマナーを意識したいものです。
まず、話し声はできるだけ小さく、他の参拝者の邪魔にならないように配慮しましょう。
写真撮影が許可されている場所でも、フラッシュを使わず、仏像やご本尊を撮影していいか確認するのが基本です。
また、境内では立ち入り禁止エリアに注意し、勝手に入ったりしないこと。
手を合わせて一礼するなど、心を込めた参拝を心がけると、より一層豊かな気持ちになれるはずです。
どんな服装で行くべき?
穴場のお寺巡りでは、歩く距離が長くなることも多いため、動きやすい服装がおすすめです。
足元は滑りにくいスニーカーがベスト。
また、季節によっては冷え込むこともあるので、春秋でも羽織れる上着を持って行くと安心です。
夏は日差しが強いので、帽子や日焼け止め、虫除けスプレーも持っていくと快適に過ごせます。
冬場は寒さ対策が必須なので、防寒着を忘れずに。仏様への敬意を表す意味でも、派手すぎないシンプルな服装を心がけましょう。
一人旅でも楽しめる?
むしろ、奈良の穴場お寺巡りは一人旅にぴったりです!
静かな空間で自分のペースで歩き、心静かにお参りする贅沢な時間を味わえます。
誰にも気を使わず、自分の好きな場所で好きなだけ時間を使えるのは、一人旅ならではの魅力。
途中で地元のカフェに立ち寄ったり、思いがけない絶景スポットを発見したりと、自由な楽しみ方ができるのもポイントです。
不安な人は、最初はアクセスのよい寺院から挑戦してみると安心ですよ。
まとめ
奈良には、まだまだ知られていない穴場のお寺がたくさんあります。
有名観光地の華やかさとは違い、静かに心を落ち着けられる空間が広がっています。
今回ご紹介したように、少し足を伸ばすだけで、自分だけの特別な体験ができる場所が見つかるはずです。
穴場寺院を訪れることで、奈良の奥深い歴史や文化、そして自然の美しさをより身近に感じることができます。
ゆっくり歩きながら、季節の移ろいを感じたり、歴史に思いを馳せたりするひとときは、きっと心に残る旅の思い出になるでしょう。
ぜひ次回の奈良旅行では、有名スポットだけでなく、今回紹介した穴場のお寺にも足を運んでみてください。新たな奈良の魅力に出会えること間違いなしです!